【おすすめ】固形肥料人気No.1の「マグァンプK」の正しい使い方

アッシュデイジー寄せ植え講師&ガーデナーの二星香織です。
今日は、園芸やってる人なら一度は聞いたことがある【マグァンプK】について。
実は私、以前までちょっと毛嫌いしてたんです。なぜかっていうと・・・
< 理由 ❶ > 有名すぎる!
テレビとか雑誌に出てくること多いから、よくわからないけどいいんだ、って思ってない?
使ってる人多いし、みんな闇雲に信じすぎてない?
って感じで、あまのじゃく的にはイヤだなと。
< 理由 ❷ > リン酸分、多すぎる!
【6-40-6】って、いくらなんでも多すぎるっしょ!リン酸分が多すぎるのも生育環境悪くなって良くないんやでっ!
・・・こんな感じ。
ホント、大した理由もなく「なんとなく」毛嫌い。
いつも使っていた樹脂コーティングの肥料でちゃんと良く育っていたし、敢えて、今さら、有名どころの【マグァンプK】にする理由も見つかりませんでした。
で、ある時調べてみたんです。
どうしても、リン酸分をあんなに高くしている理由が気になって。
すると、そこには驚きの機能性が隠れていました。
(隠してないよね💦)
というわけで、【マグァンプK】が私の中でおススメになった理由について、語ってみたいと思います♬
【マグァンプK】ってざっくりこんな肥料

まずは、【マグァンプK】ってどんな肥料かってことをざっくり見てみよう!
粒の大きさは3種類!
マグァンプKのバリエーション


マグァンプK 中粒
元肥用
効果:1年


マグァンプK 大粒
元肥用
効果:2年


マグァンプK 小粒
追肥用
効果:2カ月
草花・野菜など何でも使えるマグァンプKシリーズの中でも汎用的なものです。
肥効期間が2年と長いので、樹木や宿根草など長く効かせたい植物に向いてます。
粒が小さいので肥効期間が2年。主に追肥に使われるタイプ。
粒の質感や色はこんな感じ
中粒の例
粒はこんな感じで白っぽくて大きさはバラバラ。


3大要素+マグネシウム
どの大きさの粒もすべて同じ割合で要素が入っています。
窒素-リン酸-カリ=6-40-6
お花付き・実つきを良くする(代表的な働き)要素「リン酸」が高い、山型肥料ですね。
ちなみに、マグネシウム(=苦土)も高濃度で入ってます。


パッケージの裏を見ると、窒素・リン酸・カリ・苦土以外に『く溶性』という文字が見えます。





この『く溶性』っていうのが、【マグァンプK】の優れたところなんだよね!




肥料分が無駄に流れないから、良く効くのね!
さて、お話は【マグァンプK】のパッケージ裏面に書いてある『く溶性』について。スゴイんです!
植物は、生長してるとき、根っこから根酸という有機酸を分泌します。
根酸は、植物が生長に必要な栄養素を根から吸収するためのものなんですが、この根酸の中に「クエン酸」があります。
このクエン酸(や微生物が作る腐植酸など)が土壌中のリン酸やミネラルを溶けやすくし、吸収されやすくしてくれます。
でも、中でもリン酸分って、土壌にあるアルミニウムとか鉄とかと結合して、植物に吸収されにくくなっちゃうんですね。



温度や水でどんどんリン酸が溶け出しちゃう樹脂コーティングの肥料なんかだと、植物に吸収されないリン酸分が無駄に流れちゃう。そして土の中でミネラル分と結合して使えないリン酸になっちゃうんだね・・・
でも、『く溶性』の成分は、植物が必要としない分までどんどん溶け出すってことないのです。
『く溶性』の「く」ってクエン酸のことなんです。
要するに、「クエン酸で溶ける」って意味。



水溶性➡水で溶ける
く溶性➡クエン酸で溶ける
だね!
【マグァンプK】には「く溶性」と「水溶性」の成分が入っています。割合は『く溶性』が高め。
一粒一粒に「水に溶ける成分(少なめ)」と「クエン酸や腐植酸などで溶ける成分(多め)」が入っている
要するに、水やりや雨で溶けるリン酸も入っているけど、ほとんどはクエン酸を出す根っこの周りでしか溶けないから、植物が必要な分だけ溶けて吸収されるということなのです。
でも、土壌の腐植酸でも溶けるみたいなので、私見ですが、汎用的な【マグァンプK 中粒】のリン酸分が極端に多くて、且つ肥効期間が長い理由を、「く溶性」を軸に考えてみました。
●植物が出すクエン酸の量に応じて根っこが必要とする分だけリン酸分が溶け出す仕組み
➡少しずつ長くリン酸分が溶けるから一度にたくさん成分が出過ぎない&長く効く
●植物がクエン酸を出してないときでも、少なからず土壌の腐植酸でも微量に溶け出すので、それも見越したリン酸多め
というわけで、「く溶性」を主成分とする【マグァンプK】が、すごくいいってことです。



ロングセラー商品なのも頷けるよね。
マグネシウム配合で緑いきいき!


【マグァンプK】には、3大要素のほかに、く溶性マグネシウム(く溶性苦土)も配合されています。
マグネシウムは、葉緑素を作る成分。マグネシウムが効いていると緑が濃くなります。
緑が濃くなることによって、光合成量が増えて、栄養をたくさん作れるようになるので、生育が良くなります。
また、リン酸を植物体内で運ぶ役割もあります。
リン酸をしっかり効かせるという意味でも、【マグァンプK】にマグネシウムが高比率で配合されている理由がありますね。



なんかスゴイね、めっちゃ考えられてるなぁ
ここで本題!マグァンプKの正しい使い方
リン酸が、花付きを良くする成分であることは、先ほどチラッと書きましたが、そのリン酸を効率よく排出する仕組みの【マグァンプK】が、お花を育てる上でとっても向いているということは、前の項の通り。



【マグァンプK】を使ったら、「すごく花付きがよくなった」ってよく聞くなあ。
最初の項で、【マグァンプK】には粒の大きさ別に3種類あると書きました。
中粒・大粒は、元肥用。
小粒は、追肥用です。
元肥は、植え付け前に土に混ぜる。
追肥というと、株元に上からパラパラっと撒くイメージ。
時々中粒を上からパラパラで追肥できるよ、みたいに書いているのを見るんですが
【マグァンプK】のく溶性肥料という仕様上、上から撒いても意味ないですよね…
土の中に混ぜないと。



小粒も、「水溶性」と「く溶性」の成分は同じなんだから
上から撒いても意味ないんじゃないの?
って思いましたが、これは粒の大きさがポイント!
小粒はめっちゃ粒子が細かいので、上からパラパラっと撒いてやっても、水やりとか雨で中に入っていくんですよね!だから、中粒や大粒と同じように「く溶性」の利点がちゃんと生かせるという!



またまたスゴイわぁ。めっちゃ考えられてるわ、ホント。
というわけで
◆中粒・大粒は元肥として、植える前に土に混ぜ込む
◆小粒は追肥として、植え付け後3週間以上経ってから株元にパラパラ撒く
こんな風に使ってくださいね!
寄せ植えにマグァンプKは使える?
ちなみに、うちは寄せ植え教室なんで、寄せ植えにも同じように使えるのかな?という疑問が。
寄せ植えに使う場合、
元肥用は規定でOK。
追肥用の小粒は、規定量の半分だそうです。
【マグァンプK】使うとものすごく花付き良くなるけど、その代わり背丈はあまり伸びなかったりします。
生長を楽しみたい、花はわんさか咲かなくてもいいっていう場合は、他の肥料でもいいと思います。
または、【マグァンプK】を少なめに施すとか。
寄せ植えの鑑賞期間が、だいたい平均3か月くらいと考えると、【マグァンプK】中粒の肥効期間1年はちょっと長すぎますしね。笑
春に植えたペチュニアを秋遅くまで楽しむ、とか、10月に植えたビオラを4月いっぱいまで楽しむ、とかでしたら、すごくいいと思います。栽培期間が長いので。
どうなんでしょうね。実験してみようかな。
まとめ
【マグァンプK】をなんとなく避けてきたけど、ふと深堀りしたら、めっちゃスゴイ機能性にびっくりしてしまったというお話でした。
▶お花育ての定番「山型肥料」である
▶マグネシウムを配合しており、リン酸が効率よく効くようになっている
▶水溶性の成分は水やりで溶け出す
▶く溶性の成分は、植物が養分が必要な時に出す根酸(クエン酸)に反応して溶け出し、必要がないときは溶け出さないので、無駄な栄養分の流出を減らせる
▶ゆっくり溶け出す分、長く効く
▶粒の大きさ別に3タイプあり、用途や肥効期間により使い分けられる。
いかがだったでしょうか?
【マグァンプK】の驚きの機能、『く溶性』の意味
これらを知ると、植物ってこういう風に育つんだ、肥料ってこういう風に効くんだ、っていうのがなんとなくわかってきます。
この記事を書くとき、いろいろ調べててとっても勉強になったことと、私も【マグァンプK】の恩恵に預かりたいな~と気持ちを新たにしました。
ぜひ、肥料選びの参考にしてみてくださいね!






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